歯を失ってしまった場合、ブリッジやインプラントで欠損部分を補えるのであれば良いのですが、どうしても入れ歯を選択せざるを得ないケースがあります。入れ歯と聞くと老けたように思えて落ち込む方もいらっしゃいますが、よく噛める入れ歯は逆に若々しく見えて「もっと早く治療を受ければよかった」と驚かれる場合が多いのです。入れ歯は素材や設計の選択肢が多い治療方法です。最適な入れ歯は「先生にお任せ」では出来ません。
当院では初めての入れ歯はまず健康保険で作ります。お食事や会話の中で入れ歯というものを実感していただき、どこを改善したらもっと気持ちよく使用できる入れ歯ができるのかを考えてもらいたいからです。自由診療では健康保険では適用されない素材・設計・治療ステップなどを用いて、費用をかけた分長期間、気持ちよく、大切に使いたくなる入れ歯を目指します。些細な事でも結構ですから気になるところはご相談ください。
長く快適に使用できる入れ歯にするには、かみ合わせや歯並びが影響してきます。又、残っている歯も入れ歯と同じ期間長くお口の中で活躍できる状態でなければなりません。そこで「自由診療の良い入れ歯を作りたい」とご希望があった場合、歯周病やむし歯の治療、古い修復物の交換などの前治療をしっかり行ってからになりますので、治療期間が長くかかる場合があります。
入れ歯は人工歯と床(しょう)と呼ばれるピンク色の歯茎の部分、そして部分入れ歯の場合は維持装置の3つからできています。保険診療では使用できる材料や作製の手順に制限があります。又、維持装置はクラスプと呼ばれるバネを用いますが、欠損状況によりバネが目立ったりします。ただ、保険診療の入れ歯は修理が容易であるなど利点もありますので、作製する時のお口の状態によっては保険診療の入れ歯の方が良い場合もあります。